一晩寝て激情に囚われた心が帰ってきたので、泣きました以外の感想、所見なども書いていきたい。昨日は言葉を重ねたものの結局のところいっぱい泣きましたと書きたかっただけなのだ。ヴァイオレット・エヴァーガーデン見て、いっぱい泣こう。あらすじを振り返りたい人にもこの記事はおすすめだ。まだ見てない人は、ネタバレ祭りになるから先に見てこよう。
『劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン』。この映画は様々なコミュニケーションを見せてくれ、それが進歩する瞬間も描くことで、コミュニケーションのこれからのあり方をも示唆してくれるものだった。
ポイントはヴァイオットと仲間たちのコミュニケーションが(1)なにに媒介されて(2)どこの相手と(3)いつの相手となされてきたか、という点。
(1)なにに媒介されたか。人々はどうやって思いを伝えたか。
なるべく時系列に沿って、TVシリーズ、他の映像作品の重要部分も含めて思い出そう。
ヴァイオレットとギルベルト少佐のファーストコンタクト、それは抱きしめることだった。兄である大佐が挨拶しろとヴァイオレットの髪を掴んで頭を下げさせたのを見て、少佐は憤慨し彼女を保護したのだった。
二人の間にはいつも会話というより指令と返答があった。
少佐はヴァイオレットに読み書きを教えた。紙・筆記具や本がその手段となった。
祭りの日、少佐は感謝を伝えるため、何か欲しいものを買い与えようとする。ヴァイオレットは少佐の目と同じ色のブローチを選んだ。
戦いの中で、少佐は号令をかける。最後の攻撃の合図は閃光弾によって伝えられた。
負傷した少佐は、命令に従わず自由に生きろ、心から愛してると告げて爆発からヴァイオレットを庇う。タグを残してMIAとなる。
ヴァイオレットは病院で医師の勧めで手紙を書くが、書き終えることなく紛失する
ホッジンズは、ギルベルト少佐からの「指令の伝言」としてヴァイオレットをエヴァーガーデン家の娘にして、ライデンのCH郵便社で働かせ、住まわせる。
ぶっ続けで手紙の配達をする。
恋文の依頼人に話しかけられたことで、あいしてるを知るために自動書記人形を志す。
育成学校で一度躓くが、友人から兄への手紙を代筆したことで自動書記人形のバッジを得る。
依頼とあらばどこにでも出向く。
仕事抜粋。手紙や戯曲について読んで学ぶ。作家の執筆を手伝い、娘のものだった傘を譲り受ける。天文台で手書き原稿の筆耕をする。先の長くない母親の代筆で、娘の50年分の誕生日を祝う手紙を書く。戦場で兵士の手紙を代筆し、故郷に届ける。書き漏らしいっぱいあるけど許して
戦争で多くのひとを殺したことから自身を責めるも、自動書記人形として関わってきた人の足跡に触れることで立ち直る。
列車を襲ったテロリストに不殺の態度で臨む。大佐を狙った銃弾を義手で弾く。
ブーゲンビリア家に行き、母に会う。もう指令がなくても自分の心と共に生きられると言う。
天文台で聞いた話を貴族学校の生徒に話して聞かせる。手をとって踊る。一緒に風呂に入ったり寝たりする。
孤児院を抜け出してきたテイラーに文字を教える。
ライデン在住の婆さん、完成しない電波塔についてベネディクトに繰り返し質問する。
(この辺から劇場版、順番があやふやである)
海の感謝祭でのあと、市長の賛辞に反論する。
アイリスはヴァイオレット指名の電話を受け、代わりに自分を推薦するが断られ、拗ねる。
アイリス、電話、電波塔に仕事を取られる前に稼ぐと意気込む。
休日にギルベルトの母の墓参りに行く。リボンを落とす。
ホッジンズとベネディクトはテニスをする。ベネディクトはラリーを続けようとせず、スマッシュする。
リボンを渡そうと無言で近づきポケットから手を出しかけた大佐を取り押さえる。
電話を受ける。休業を理由に依頼を断ろうとするが、「依頼とあらばどこへでも」は嘘か?と揶揄されると意地になって依頼を受ける。病院のベッドの下に隠れ、病の床にある少年ユリスが家族に痛い言葉で当たる様をきく。有事特例を発動し、子ども料金を設定する。ユリスからサムズアップと指切りを教わる。家族への言葉を書きながら、自分があいしてるを教えてくれた大切な人に会いたくても会えないことを漏らす。ユリスが天国へ行ったその日に手紙を渡すことを約束し、親友にも手紙を書くことに。容態が悪化したため、日を改める。
ユリスの親友、来るなと伝言されるもたびたび病院の前まで行き、窓にユリスの姿を見る。
行く時はホッジンズに報告すると言いつつ、報告せずにギルベルトの幼少期の品を取りに行く。大佐は船と品についての思い出を語る。
感謝祭の海の讃歌と、それをヴァイオレットが書いたことがギルベルトに伝わる。
ホッジンズ、ベネディクトの熱意アピールと副社長希望に対して「なら簿記の学校に通え」と応じる
ホッジンズ、宛先不明郵便に残された筆跡からギルベルトがエカルテ島にいるのではと推察、大佐に伝え調査を依頼する
お前はヴァイオレットの保護者ではないと大佐に言われ、お前が言うなと激昂して胸ぐらを掴む。
少佐生存の可能性を告げられたヴァイオレット、ホッジンズと共に船でエカルテ島へ行くことに。うまく思いを伝えられなかったら、気持ち悪がられたらと不安がるヴァイオレット、カトレアの助言で少佐への手紙を書く。
子どもたち、カマキリを見せてホッジンズを驚かす。同様のことをされたヴァイオレットは驚かず、右の前足がないことを指摘する。
ヴァイオレット、島の子どもたちからギルベルトが優しい先生であることを伝え聞く。
ギルベルト、ノックの音を聞き、「入っていいよ。何かわからないことがあるのなら…」と言う。
ギルベルト、ホッジンズにまっすぐ向き合わず、自分がヴァイオレットを道具ではないと言いながら道具として扱い、美しいものを慈しむ心を育んでやらず、不幸にしたから会う資格がないと述べる。
ヴァイオレット、ホッジンズの報告からギルベルトが自分に会いたくないのだと察し、自分から探しに行く。
ギルベルトは土砂降りになっても扉をあけず、帰ってくれと言う
ヴァイオレットは最初会えるまでここを動かないと言うが、あいしてるだって少しはわかるようになったのです、と言うと駆け出す。
ホッジンズ、この大馬鹿野郎とギルベルトに怒鳴り、荷物を持ってヴァイオレットの後を追う。
通信所を兼ねた灯台に泊まるヴァイオレットをホッジンズ。電報を受け、ユリスが危篤であることを知る。
アイリスとベネディクト、手紙を持って病院へ行く。
手紙を書くだけの猶予がないと悟ったアイリスとベネディクト、ユリスの親友へと電話を繋ぐ。
ユリス、来るなと言ってごめんなさい、友達でいてくれてありがとうと伝える。親友は傷ついてはいないこと、ずっと友達であることをユリスに伝える。
ユリスは事切れる。手紙が開封され、家族が読む。読み聞かせられたユリスの幼い弟はベッドに駆け寄り、嬉しい、お父さんとお母さんも嬉しいでしょ?と問いかける。両親は笑って答える。
以上のことが電報でヴァイオレットとホッジンズに報告される。その中に、ヴァイオレットも大切な人に会えてよかったね、とのメッセージがある。
翌日になって会おうとしなかったら扉蹴破ってぶん殴る、と息巻くホッジンズに、ヴァイオレットは殴るのは私が、と冗談を言う。手紙を書いて渡し、帰って溜まった依頼に取り掛かると決心する。
翌日、ヴァイオレットは島の子どもに手紙を託す。
ギルベルト、帰るところがあるなら帰った方がいいと言う老人に、島に残ると返答する。
大佐はギルベルトを探し出し、謝罪をし、ブーゲンビリアの家は自分が継ぐからお前は自由になれと告げる。
昇降機に乗って、たくさんの感謝に溢れたヴァイオレットの手紙が届けられる。
ギルベルト、港に向かって走る。ヴァイオレット、彼の姿を見て、すでに出港していた船から飛び降りる。渚で二人は向かい合う。ギルベルトはお前を傷つけたがそれでも愛していると告げる。ヴァイオレットは涙で言葉を出せないでいる。ギルベルトは彼女を抱きしめる。ヴァイオレットは「わたし、しあわせ」と絞り出す。手紙は風に乗って飛んでいく。
ライデンに戻り全ての仕事を片付けたヴァイオレットは、CH郵便社を辞め、エカルテ島に移り住む。
電波塔完成。祭の花火を見上げながら、ホッジンズはヴァイオレットの不在を寂しがり、ベネディクトと肩を組む。
ヴァイオレットとギルベルト、指切りをする。
ヴァイオレットは島の灯台兼郵便局で働きながら、たくさんの手紙を代筆する。
島の人々はとても多くの手紙を出すようになる
CH郵便社は国家事業として買い取られ、建物は博物館となる。
エカルテ郵便局は灯台から町へと移転する。
エカルテ島は一人当たりの郵便件数が最大の地域として、それを記念するヴァイオレットの絵柄の切手が発行される。
デイジーは祖母の葬式の後、両親と半目する。親は医者で、仕事の忙しさのせいで祖母と疎遠だった
祖母が曽祖母から贈られた、毎年誕生日に届く50通の手紙を読み、当時人気の自動書記人形ヴァイオレットがそれを代筆したこと、もうその職業は廃れたことを知る。
デイジーはライデンへ行き、博物館を訪れ、ヴァイオレットの足跡をたどってエカルテ島の郵便局までいく。木にはヴァイオレットがしていた赤いリボンが結ばれ、駐在員は良き自動書記人形のバッジをしていた。彼がヴァイオレットの名を告げようとした時、デイジーはその名をオーバーラップして言う。
デイジーは両親に手紙を書いて、愛を伝える。
書き始めた時はメディアが登場するシーンだけ抜粋しようと思ったが全てが愛おしすぎて全部反芻してしまった。なんてこった。
つづきます。